星詠みとは、星座や天体の動きを見て、その運行が私たちにどのような影響があるのかを読み解いていき、そうした星座や天体が持つメッセージやエネルギーを形や言葉にしていくことです。星座や天体は実際には触れることはできませんが、星たちが発しているエネルギーには触れることができるのではないでしょうか。そんな思いのもと、Astro Ricoの代表のLicacoさんは10年来の友人で、花曼荼羅を手掛ける花有子さんと「星と植物とわたしたち」を運営しています。

Licacoさんは、自然療法やアロマセラピー、アーユルヴェーダ、そして占いではなく星の理を知るための占星学を学びました。そういった学びの中から、星詠みの手法を習得していきました。小さいころから植物も好きで、大好きなものを集めたら「星と植物とわたしたち」という形になったといいます。

「星と植物とわたしたち」では、花有子さんがキールタンという地球に感謝を伝えるセレモニーとして花曼荼羅をつくり、Licacoさんが星からのメッセージやエネルギーを詠み解いていきます。それは、ある種の瞑想でもあります。瞑想的な行為は心と体の声を聴くことができるので氣づきと癒しがおこり、緊張やストレスから解放されます。潜在能力を引き出され、創造性を育みます。みんなで行うことで自分も相手もそのままを受け入れられ、共同創造するたのしさを味わうことができるという効果があります。

そして、星を伝える時は、その言葉が持つイメージがフィルターになってしまい、表現の可能性が狭まるかもしれません。そこで、「星と植物とわたしたち」ではうたや音、舞いのキールタン、そして植物を用いた花曼荼羅によって、言葉では表現できないようなことを伝えるようにしています。

「太古の人たちは星たちの巡りをとても大切にして、現代のように知識として知らなくても感覚として星からのメッセージをキャッチすることができました。星と交信して一緒にクリエイションもしていました。例えば、ルドルフ・シュタイナーが提唱したバイオダイナミックは天体のバイオリズムに則った農法で、もともと古くからあったものです。天体の動きや星の配置によって種まきや収穫の時期を決めていくのですが、植物は天体と交信していますから、植物自身がいつ咲けばいいか、いつ実ればいいかがわかっているのです。私たちも同じようにはるか昔から植物や星と繋がり合っていたはずではないでしょうか」と、Licacoさんは話します。

Licacoさんは、星詠みを始めて15年ほどが経ちますが、その奥にあるもっと大切なことまでわかってもらえるようになってきたと感じています。「星読みは自分を知るツールです。つまり、私たちは星のカケラであり、宇宙からきているということです。身体の部位は12星座で表されますし、10個の天体はチャクラと連動しています。だから、私たちも小さな宇宙そのもの。天の星が輝くように、名前があるなしにかかわらず、小さくても大きくてもすべてが輝いている存在です。イルカや植物もそうです、地球にあるもの自体が宇宙的存在を感じさせてくれるのです」。

星詠みでは、星と調和することも含めて、時間や空間、そして愛と調和していくことを大切にしています。今日はこの星とあの星がコンタクトを取っているとわかれば、日常生活で見過ごしてしまうサインをキャッチすることができるかもしれません。「それはどんな読み方、捉え方があってもいいですし、人によって異なるものです。星詠みをしていると、しんどいことがあったとしてもそれはすべて学びだと気付きますし、すべてを受け入れられる気持ちにさせてくれます。自分たちが癒やされた時に地球のどこかできれいな花が咲くかもしれません。そう考えると、時空を飛び越えて、誰かの気付きになるかもしれません。国や場所で咲く花は異なりますし、季節によってももちろん異なります。人との出会いも同じではないでしょうか」と、Licacoさんは語ります。

だから植物と星詠みはとても近いのです。星と植物はお互いにサインを送りあっています。そのサインを見逃さなければ、私たちにたくさんの気付きがもたらされるはずです。無意識の中に隠していたものにそっと触れられる瞬間、そこにたどり着くのは星や植物だけなのかもしれません。

撮影：石川奈都子

■「星と植物とわたしたち」
Licaco公式インスタグラム：＠astro_rico413